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2005年9月の18件の記事

2005.09.30

ゴッドスペル

ゴッドスペル*東京芸術劇場(中)*2005-29

オフ・ブロードウェイのミュージカル。1971年初演。ブロードウェイ進出は1976年。

うーむ。演出は意欲的。楽曲も悪くない(ものもある)。キャストも、なかなかの力量のひとが集まっている…のだろう。ということは、弱いのは本か。まるで、新約(聖書)のいくつかの有名なエピソードからの、スケッチ集なんだもんなあ。

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2005.09.29

SHINOBI

SHINOBI -HEART UNDER BLADE-
監督/下山天
2005年*松竹*スコープ・サイズ

TOHOシネマズ府中 プレミア・スクリーンにて
通常料金での興行

おや、意外に悪くない。まあ、何も期待せずに行ったもんで、最初から設定水準が低いせいもあるのかもしれないけど。

ただし、黒谷友香の横顔のショットで、アゴの下に何か(笑)がダブついているのには幻滅。正面からはきれいなんだけどなあ。

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2005.09.26

チャーリーとチョコレート工場

チャーリーとチョコレート工場
“Charlie and the Chocolate Factory” by Tim Burton
2005年*USA*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中スクリーン2(THX劇場)にて

堪能しました。素晴らしい。

大資本のもとでも、自分の趣味嗜好をきちんとアピール出来るということ。しかもそれが、広範囲の観客に受け容れられているということ。ティム・バートンは、幸福だなあ。

この映画(原作もそうだが)、作品世界も登場人物たちも、皆どこかに歪みがある。しかし、そこから生まれてくる話は、毒も含みながら、結末は(洒落ではなく)上質の菓子のように甘い。或る種の(シニカルな目を持った作り手の考える)ユートピア作品なのかもしれない。

この話の続篇にあたる「ガラスの大エレベーター」だって、いろいろ紆余曲折はありながら、最後はそれか、みたいな話だし(^^)。原作者のロアルド・ダールって、どういう感覚のひとだったのかなあ。大人向きの小説では、有名な短篇集「あなたに似た人」を、昔、ぼーっと(?)読んだことがあるくらいなので、どうもよく分からないのだが。

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2005.09.23

マダガスカル

マダガスカル
“Madagascar” by Eric Darnell & Tom McGrath
2005年*USA*ヴィスタ・サイズ

シネマミラノ(新宿)にて

いやあ、あやうく見落とすところだったのを、2番館(失敬)で観てきた。吹替版が興行のメインになるこういう作品は、いつ(字幕版に)行くのかという見極めが、なかなか難しいのだ(笑)。地元のシネマ・コンプレックスでは、最初から字幕版は公開されなかったもんなあ。

ところで、DreamWorks の Computer Animation を観るのは、今回が初めてである。最初の『アンツ』の頃は、まだ特に気にもならなかったが、『シュレック』の1&2も『シャーク・テイル』も見落としているのは、さすがにまずい(^^;)。『シュレック』なんて、でも、本国での大ヒットに比べると、日本ではメイン館での公開がわりと早く終わっちゃったような気がするのだけど。

ところで、この『マダガスカル』だが、でも、中身はずいぶん大人向けではないだろうか。肉食獣の本能のエピソードなんて、画をどう可愛くしようとも、ちょっと、どうなんでしょうか。だいたい、獣肉と魚肉とは、味わいが厳密には違うんじゃないのかなあ。 大丈夫なのだろうか、あのコミューン。あのまま、殺戮の宴(爆)になるような気もするのだが。

動物園のパートは、仕掛け(遊び)がいっぱいあって、かなり楽しいんだけど…。

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2005.09.18

浅草東宝オールナイト

“文部省選定基準を暴け!(多分判らない)”
浅草東宝*オールナイト上映

明日の幸福』 1955年*東宝*黒白*スタンダード。監督/瑞穂春海。
地方記者』 1962年*東宝*黒白*スコープ・サイズ。監督/丸山誠治。
おれについてこい!』 1965年*東宝*黒白*スコープ・サイズ。監督/堀川弘通。
(2度目)『百万人の大合唱』 1972年*東宝*スコープ・サイズ。監督/須川栄三。

浅草東宝のオールナイトって、1年に数回、当たり! という日がある。この日がそうだった。3本目以外は特に期待していなかったのだが、どれも、なかなか見応えがある。4本目も、まあ、許容範囲ではあるわけだし。

他の作品については、いずれ。

かねてからいろんな評判を聞いていた『おれについてこい!』が、やはり圧巻。しかし、トンデモ映画ではなく、とてつもなく力強い、正攻法の作品だったのだ。

東京オリンピック、女子バレーボールの決勝戦に臨む日本女子チームの、その日の朝から試合開始直前までの“現在”に、登場人物それぞれの回想がインサートで挟まれ、試合日の重苦しさが、尋常ならざるそれまでの道筋と完全にリンクして、異様な迫力でせまってくる。

実際の選手たちや大松監督がどういう考えかたで行動していたのかは、もちろん分からない。しかし、この作品では、単なるスポ根/精神論ものを超越した存在であるように描かれている。

彼らは、ただバレーボールだけを選択した、それ以外のものを捨て去った集団であり、だから異常なまでの練習量をも黙々とこなしてゆくのだ。まるで増村保造の映画のような、重苦しい選択のドラマが、ここにある。

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2005.09.16

京舞

京舞*新橋演舞場*2005-28

久々に、新派の公演に行く。

芸道ものなので、わりと安心して観られる…のではないかと思っていたのだけど、うーん、同じ芸道ものでも、もっと通俗的なほうが僕は好きだなあ(^^;)。なんと言っても北條秀司さんの戯曲なので、思わず姿勢を正してしまう。

役者は、やはり皆が好演している。水谷八重子と波乃久里子の2枚看板は言うまでもなく、英太郎さんも良い感じ。何年か前に新派で観て、あまりのハマリぶりに驚いた国広富之氏は、今は新派の所属なのだろうか? 彼も、やはり素晴らしい。

たまに行くと、ああ、ちゃんと毎回“新派”に通うようにしなければ、と思うのだけど、次の公演の案内が来る頃には、その気持ちを忘れちゃっているのが問題なんだよなあ(笑)。とにかく、11月のアトリエ新派の公演は、ちゃんと押さえるようにしよう(^^)。

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2005.09.14

小林一茶

小林一茶*紀伊國屋サザンシアター*2005-27

井上ひさしさんの旧作。どういうわけか観ていなかったので、出かけてみる。

有名・著名人の評伝劇(平賀源内、乃木将軍、宮沢賢治、夏目漱石、樋口一葉、石川啄木、太宰治、魯迅、河竹黙阿弥、河上肇、林芙美子、吉野作造 etc.)。言葉遊びや劇構造に仕掛けのある作品(日本人のへそ、化粧、キネマの天地 etc.)。井上氏の両傾向が、ここでは融合されているのだが、うーん、ちょっと難しいなあ。

大きな仕掛けと、その中のドラマとが、どちらも面白く、でも、だけどしっくりこないのだ。最後まで観ると、まあ、そういう落しかたなら、アリだろうとは思うのだけど(^^)。

第1部は妙に重苦しく、ウトウトしているお客を、周囲に複数見かける。僕も、ちょっと厳しかった(^^;)。さすがに第2部に入ると、話にも勢いが増して、最後までたたみかけるようにテンションが上がっていくわけなのだが。

役者は…【続く】

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2005.09.13

タッチ

タッチ』 監督/犬童一心
2005年*東宝*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン2(THX劇場)にて

覚え書き(爆)

1 原作は知らない。あだち充っていうひとは、画はよく見るのだけど、最初から最後まできちんと読んだ作品って無いのかもしれない。「陽あたり良好!」は読んだかなあ。

2 劇場版アニメ3本は、どれも劇場には行ったらしいのだが(記録からすると)、併映を観るのが主目的で、3部作のほうは眠っていたと思われる。口だけがパクパクと動く“アニメ”は、そのほとんどが苦手なのだ。

3 犬童一心の映画を観るのは初めてである。これを観る限りは、可もなく不可もなくといった感じ。うならせるような巧さがあるタイプだとは、まさか思っていなかったけれど(笑)、みずみずしい感性のきらめき(^^;)というようなものも、特には見出せない。じゃあ、なんなんだろう?

4 役者は、斉藤兄弟も長澤まさみも好演。野球部の面々も、ほとんど名前も顔も知らないひとばかりだが、なかなか良い感じ。ただし、原作のファンから聞くと、合っているキャストもいるが、無理のある配役もかなりあるらしいのだ。こればっかりは、原作を知っているかどうかで、ずいぶん違ってくるよね。

5 長い原作を2時間の映画にするためには、脚色が大事だろう。これは、その点で巧く出来ているのだろうか。単なるダイジェスト版になってしまっている、などという評判も聞くのだが。でも、事故から1年後にお参りに来た母子の場面など、ここはかなり良いように思ったのだけど、原作だと、もっとじっくり描かれているのかなあ。

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奥さまは魔女

奥さまは魔女
“Bewitched” by Nora Ephron
2005年*USA*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン6にて

もっと駄目な映画なのかと疑ってかかっていた(第一、この監督がどうにもうさんくさい)のだが、もはや古典とも言える著名なTVドラマシリーズである原作に果敢に立ち向かっていて、意外に好感が持てる。

もちろん、ただ原作と格闘しているというだけでは、たとえば「邂逅」「めぐり逢い」にインスパイア(どうとでもとれる便利な言葉である)された『めぐり逢えたら』が、原典の気高さをまったく失ったアンフェアな恋愛ものに成り下がってしまった例もあるので、だからこの監督にはどうも心を許せないのである。

まあ、でも、やっぱりこれも、リメイクではなく、原典に対するオマージュ(これまた要注意の言葉である)なんだろうなあ。もうちょっと巧かったら、虚構である原典が、それを享受した者たちの中で、確かな“過去の出来事”として昇華されるさまを、もっと鮮やかに描けたのだろうとは思うのだけど。

リメイクではない、ということで、だから、ウィル・フェレルの役はダーリンではないし(ダーリン役としてはミス・キャストだが、それでこの設定としては正解なのである)、ニコール・キッドマンも、もちろんサマンサではない。

ほとんど特別出演である(クレジットではそうなっていない)シャーリー・マクレーンの役って、もっとふくらませられないのだろうか。劇中のエンドラ役としても、また、ヴェテラン女優の役としても、とてもはまっていて、もっと見たいと残念な気持ちになる(^^)。客前の収録で、お客に向かって会釈というか見得を切るなんていう、およそ今どき考えられない大芝居で、とにかく楽しませてくれる。

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2005.09.09

NANA

NANA』 監督/大谷健太郎
2005年*東宝*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン2(THX劇場)にて

現在も連載中の作品の、前半3分の1くらいまで(?)の映画化。僕は、第1巻を読んだだけなので(^^;)、ちょっと分からないんですが。

対照的な二人の若い女の親交という、およそオリジナリティという言葉が自らを恥じてうつむいてしまう(爆)ような内容が、しかしキャラクターと語り口と美術装置のセンスで、安価な玩具であふれたおもちゃ箱のようにキラキラと輝く、そんな青春映画としてちゃんと成立している。

大谷監督の今までの3作(「avec mon mari」「とらばいゆ」「約三十の嘘」)を、僕はどれも見落としているのだが、こんな映画を撮る監督さんだったんだなあ。

ポップなのに大味ではない、ごく普通の青春音楽映画(^^)です。お薦め。

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ランド・オブ・ザ・デッド

ランド・オブ・ザ・デッド
“George A.Romero's Land of the Dead” by George A.Romero
2005年*USA*スコープ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン5にて

ええと、僕はロメロってほとんど観ていないもんで(^^;)。『ゾンビ』は、TVで観て「ふーん?」という感じだし。

このジャンルの話題になると毎回言うけれど、たとえばダリオ・アルジェントだと、誰が見てもヴィジュアルとして傑出したホラーなわけで。そういう意味では誰でも楽しめる。ロメロって、そういう万人向きの存在じゃないんだよなあ。もっと、コアなファン向けというか。

この映画、ゾンビと対する生者たちをも“持てる者と持たざる者”との2極に分けたところがミソなのだろうが、意図はともかく、作品としてはどこか焦点があいまいなものになってしまっている。

まあ、そんなことよりも、とにかくあの“蘇った死者”たちの動きが、このロメロ監督の作品のそれは「気品」がある、のだそうで(^^;)、そういうものなんでしょうか。

どのジャンルも、それに親しんでいないものにとっては、およそ驚きに充ちているというか…。日々是 <これ> 勉強っす(^^)。

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2005.09.08

エドモンド

エドモンド*青山円形劇場*2005-26

チラシにも、いつもの八嶋智人の写真が出ているのだが、いきなり冒頭から“顔が違う”のに驚かされる。まあ、ものすごいメイクをしているとかいうことではないんだけど(^^;)、そうだよなあ、ここまでトレードマークみたいになっていると、ずいぶん印象が違うのだ。有ると無いとでは。

内容に関しては、マメットの作としてはどうなんでしょうか。水準くらいなのかなあ。というか、主人公の経験をそのまま味わう(?)か、それとも寓話的なものとして受け取るか。それだけでもずいぶん感じかたが変わってくるわけだし。

いやあ、それにしても、あるていど名前を知られた役者さんの“全裸”(1列目真正面のオレの席からでもそう見えたのだが、もしかしたら前張り(?)を使っていたのだろうか)って、久々に舞台で見たなあ。そういえば、どこかで当人が語っていたような気もしたけれど、いや、ちょっと驚きました。

昔、ある戯曲の後書きで読んだことを思い出す。要旨としては「どんなに素晴らしい演技をしている名優の姿より、その隣に全裸の人間がいたら、観客はどうしてもそちらを見てしまう」ということ。

こういうことを書くと、人格円満で高潔な人物と思われている書き手ならばショックを与えるかもしれないけれど、まあ、僕の場合はそういうこともないだろうから(爆)はっきり書きますが…、かなり暗いシーンなので、局部がはっきり見えるわけではないのだけど、でも、体毛(普通なら下着の中に隠れる部分の)は、モサっと(?)はっきり見えたもんなあ。

まあ、もちろん、その人物がすべてを剥ぎ取られていくという意味で、きちんと効果的なシーンではあったので、誤解の無きように。…って、こういうことを書いてるから、キッズgooの検索では表示できないページにされているのだろうか(泣)。いたく反省(うそ)。

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2005.09.06

亡国のイージス

亡国のイージス』 監督/阪本順治
2005年*松竹/ヘラルド*スコープ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン3にて

今年3本(!)目になる福井晴敏ものの映画化。これが“現在”との関係がいちばん深い作品なんだろうなあ。

阪本監督(余談だが先日御本人をお見かけした。監督としては不必要なほどのイイ男(笑))の、全国一斉拡大公開をした作品の中でも(どういう限定なのか伝わりにくいなあ(^^;))、これが一番の出来だろう。『この世の外へ クラブ進駐軍』は未見なのだが。

【続く】

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星になった少年

星になった少年 / Shining Boy & Little Randy』 監督/河毛俊作
2005年*東宝*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン3にて

TVディレクター河毛俊作さんの、初めての映画…なのかな? 言われているほどには悪いものではない。手に汗を握る(笑)ような華々しい展開のない、地味なストーリーをそれなりには撮っている。安っぽいとか、TV的だとか、それって(たとえそれを認めたとしても)、別に作品の全否定につながるような決定的なことではないと思うのだが。

柳楽優弥という若者(^^;)の演技を、初めて観た。観客よりも、むしろ同業者(役者)たちからの評価が高いという話もある彼だが、確かに非凡。でも、この先どうするのだろう…。偉大な子役たちが連なる、夕陽の沈む荒廃した地平線(どんなイメージか(爆))の先へと消えて行く可能性も、かなりあるのだけど。

海外で大きな賞を受けた柳楽優弥の前作を、私は観ない。どの映画を観て、どれを拒否するのか、もちろん、誰にも保証された精神の自由の問題だろう(^^)。

常盤貴子は、頑張っているけれど、華やかな役をまだ映画では見せてもらいたいなあ。20代の頃に比べて、ちょっと頬のあたりが…気にならないこともないのだが。ある時期、本当に美しかったひとは、ちょっとでも変化(良くないほうに)してくるとキツいのだ。

高橋克実、演技にかなり良いところと、どうしたんだろうという両極端な部分があって、ちょっとよく分からない。舞台だと、良い役者なんだけど。世間一般の(TVヴァラエティ・ショウでの)イメージとは違い、体も大きくてハンサムなんだぜ〜(^^)。

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妖怪大戦争

妖怪大戦争』 監督/三池崇史
2005年*松竹*ヴィスタ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン5にて

予告篇よりも、ずっとちゃんとした映画なんだよなあ。うへえ、と思いながら観に行って(なぜ行くのか(^^;))、これくらい(まあまあ)のものを観られるのは、ちょっとだけ嬉しい驚き。

悪ふざけや意味不明のカットもあるけれど、決して子供だましではない、良質のファミリー向け作品。

(大映で60年代後半に撮られた“妖怪シリーズ”は、観ていません)

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2005.09.04

浅草東宝オールナイト

“美人女優とは、こういうことさ 藤山陽子まつり”
浅草東宝*オールナイト上映

女性自身』 1962年*東宝*黒白*スコープ・サイズ。監督/福田純。
B.G物語 二十才の設計』 1961年*東宝*黒白*スコープ・サイズ。監督/丸山誠治。
(2度目)『宇宙大怪獣ドゴラ』 1964年*東宝*スコープ・サイズ。監督/本多猪四郎。
若い娘がいっぱい』 1966年*東宝*黒白*スコープ・サイズ。監督/筧正典。

出演作リストを調べると何本かは観ているのだが、実際に見るまでは果たしてどのひとが藤山陽子だったのやら(爆)ということで、ああ、このひとのことなんだ…。うーん、きれいだけど、ちょっと弱いなあ。美人秘書タイプ。でも、犯しがたい威厳とか高貴な雰囲気というほどの美貌でもないし。本来の意味での(かつての)中産階級のお嬢さん〜このくらいのクラスの娘を“令嬢”とは呼ばない〜って、こんな感じだろうか。

むしろ、どういういうわけかどの作品にも一緒に顔を出す、浜美枝さんの印象が、良くも悪くも強すぎて(^^;)。初期の頃の浜さんって、むしろかなりのファニー・フェイスだったんだなあ。60年代後半になって、ようやくヒロイン格の雰囲気になってくるわけで。

映画は、毎度言うことですが、こういうプログラム・ピクチュアのほうが、当時のたとえば性モラルなどを敏感に伝えていて、興味深くもあり、でも、まとめて観るとちょっと疲れるかも(^^;)。映画によって実際の道徳規準よりもハードルが高い or 低いという差はあれ、そこに何らかのハードルがあった、ということは如実に伝わってくるわけで。

婚前交渉の有無が、たとえプログラム・ピクチュアとはいえ1本の映画の核となるっていうのは、どうよ?(だから、こうやって莫迦にして使っているうちに、本当に浸透してゆくのだろうなあ、嫌な言葉って(笑))

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2005.09.01

戯曲 赤い月

戯曲 赤い月*紀伊國屋ホール*2005-25

戯曲 赤い月

文学座公演/紀伊國屋書店提携

スタッフ
原作/脚色 なかにし礼
演出 鵜山仁
装置 倉本政典
会場 紀伊國屋ホール(新宿)

キャスト
平 淑恵:森田波子
石田 圭祐:森田勇太郎(波子の夫)
大滝 寛:大杉(関東軍参謀/波子の最初の恋人)
長谷川 博己:氷室(関東軍秘密諜報機関員)

のちのち混乱を招きかねない(笑)、タイトルに“戯曲”とついた舞台である。原作者自身が脚色。僕は、原作も映画も(たしかTVもあったのか)どれも知らないのだが、常盤貴子が主演した映画の予告篇などから想像していたものとは、かなりタッチが違うように思える。実際、原作者によると「構想を練り直した全く新しい作品」なのだそうだ。

前半、場面転換でかなり見せる。鵜山さんって、そういうひとだっけ。シンプルな装置が、次々に、いろいろなものへと変化してゆく。そのなんともいえないスピード感で、過酷な引き揚げの過程からのいくつかのスケッチを、味わいを損なうことなくしかしテンポ良く見せることに成功している。

気になったところ。
客席通路から舞台へと登ってくる、そういうやりかたで登場するキャストがむやみに多いのだが、こういうのは、印象的な場面でたった一人だけに使うか、それとも花道のある劇場でやることか、どちらかではないだろうか。紀伊國屋ホールのような場所だと、かなり違和感があるのだ。特に、遅れて入場してきた本当のお客も中には混ざっているので、余計に困惑してしまうのだ(^^;)。当たり前だけど、その困惑って、演出家の意図とは関係ないしなー。

観ながら、特に第2幕になって思ったのは、これって、もう一つの「女の一生」だなあ、ということ。仕事に邁進するか、男との交情に身を投じるかの違いはあっても、戦時下を“がむしゃらに(周囲の目を気にせずに)生きていく”ヒロインという意味では、とても印象が重なるのだ。もちろん、同じ文学座であり、同じくヒロイン劇であるという共通点は言うまでもない。

ここ数か月、自分の中では、何度目かの杉村(春子)ブームで、そのせいで“文学座のヒロイン劇”にまで行ってしまって(^^)、うん、でも堪能しました。少なくとも演技者の集団としては、やはり手堅いなあ。久々に、平淑恵版の「女の一生」も観てみたくなった。平さんの「女の一生」は、初演時に観ただけなので。もちろん、本当の初演時(1945年4月)版台本でやってもらいたいですね〜。

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容疑者 室井慎次

容疑者 室井慎次』 監督/君塚良一
2005年*東宝*スコープ・サイズ

TOHOシネマズ府中 スクリーン2(THX劇場)にて

映画の「2」あたりから、だんだんこのシリーズ(?)とも付き合いにくくなってきたなあ。特に、この前の「真下正義」が意外なほどに評判が良くて、かなり不安(笑)にさせられる。どこをどう見たら、あれをそんなに良いと思えるのだろう。“悪くはない”というのと、“良い”ということは、微妙に、でも決定的に違うことなのだが。

ええと、この作品は、下品な演出と抑えた演出とが混ざった、とても居心地の悪い映画。内容は、かなり広がりのあるものを描いているように(わざと)思わせて、結局は“そうではない”という落しかたを狙ったのだろうが、作中の人物が何かの詐術を用いてそう操作したのではなく、作り手が行なうのだとしたら、それっていわゆる“マッチポンプ”だろう。ふざけるな。

ところで、不思議に思ったことが一つ。冒頭の空撮部分はともかく、舞台となる新宿3丁目だのアルタ前だの、これって、どこもオープンセットなのかどうか、ともかくリアルな(本当の)新宿じゃないよね? 今の映画としては珍しいよなあ。人物の背景にスクリーン・プロセスを使っているシーンもあって、そういうところだけは、オールド・スタイルを楽しめる…のかもしれない…のだが(^^;)。

映画としては、まあ料金程度(僕は千円で観たのだが)には楽しめる。量産され消費されるための作品。お疲れ。

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